筑波大学とワシントン大学 AI分野の日米連携に向けて本格始動

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筑波大学とワシントン大学 AI分野の日米連携に向けて本格始動

主な関係者:(前列左から)鈴木博文氏(NVIDIA)、櫻井鉄也教授(筑波大学)アン・セト氏(Amazon)、永田恭介学長(筑波大学)、トリシア・セリオ氏(ワシントン大学)

 

8月21日・22日、米国ワシントン大学、NVIDIA、Amazonの関係者が集まり、AI分野のパートナーシップに関する意見交換を行いました。

これは、4月9日に米国ワシントンDCの商務省で取り交わされた日米のAI分野でのパートナーシップの基本合意を受けたもので、パートナーシップの枠組の対象分野、どのような運営モデルで実施するかなど、本格的な契約に向けた議論が行われました。

21日は東京、翌22日は筑波大学で、各担当者による実務的な意見交換が行われました。これに合わせて、筑波大学とワシントン大学が研究や教育の面で協力を進めることについての意向表明書に、永田恭介学長とトリシア・セリオ・プロボストが署名しました。

今回の会合には、ワシントン大学からプロボストのトリシア・セリオ氏をはじめとする役職者、Amazonからアン・セト氏、NVIDIAから東京駐在の鈴木博文氏らが参加。本学からは、永田恭介学長、重田育照研究担当副学長、それに今回のパートナーシップの統括責任者であるシステム情報系 櫻井鉄也教授らが出席しました。日米の大学と、米企業が支援する今回の連携の意義を再確認し、具体的な連携推進に向けて一歩踏み込んだ意見交換がありました。

永田学長は、「学問分野を超えた協働は、筑波大学のスピリットである」とした上で、「我々が直面している課題は極めて複雑だ。CO2排出削減、ジェンダーや貧困、格差など様々な問題に対して、アカデミアの立場として、科学の知見からアプローチしていく。そのために、シアトルの皆さんとの強固な連携が必要だ」と述べました。

カウンターパートの三者も以下のような発言をされています。

トリシア・セリオ氏(ワシントン大学)

「アカデミック・リーダーや企業パートナーに囲まれた環境にある筑波大学と、分野横断的な取り組みを進めることができるのは、本当に光栄なことだ。我々は長年にわたって蓄積してきたAI分野の知見をシェアすることで貢献したい。医療からロボット工学、気候変動に至る多くの重要な分野で、長期的かつ卓越したインパクトを生み出すことができる。それこそが、私がこのパートナーシップに最も期待していることだ」

アン・セト氏(Amazon)

「当初は、このパートナーシップを各機関の強みと能力を持ち寄ることと解していたが、先日(21日)の対話で、我々の共通した強みが成功に導くということにも気づいた。我々は皆、社会全体に変化をもたらす壮大な挑戦に好奇心を抱いている。未来に立ち向かうことのできる新たな才能の育成、困難な技術的課題の進展に高い関心を寄せている。この連携を通じて何を成し遂げられるか、とても楽しみにしている」

鈴木博文氏(NVIDIA)

「AIは、新たな産業革命を推進する次世代のコンピュータサイエンスである。AIのポテンシャルを活かし、人類の喫緊の課題のいくつかに対するソリューションを提供するためには、学術界、民間企業、政府間の協力が必要だ。このパートナーシップとNVIDIAの最高クラスのアクセラレーテッドコンピューティングソリューションを通じて、研究者や学生のエコシステムを可能にし、AIの技術開発と実社会への応用を進めていく」

連携を先導する櫻井教授によると、ロボット工学、気候変動、ヘルスケア・高齢社会などそれぞれの分野での課題解決に向けた提案を行い、実施していくリサーチプロジェクトと、学生交流やアントレプレナー教育、チュートリアルを含めたコミュニティプロジェクトとを両輪で実施します。また、AI教育研究拠点(ハブ)の設置も進めており、将来的には、AI研究の包括的拠点への拡大も構想しているとのことです。

 

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