スマート農業を対象としたAIチップによる実時間映像解析の検討

NEDOプロジェクト
・高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発
 ・革新的AIエッジコンピューティング技術の開発
  ・不揮発省電力FPGAコアを用いた低遅延AI処理コンピューティング技術の研究開発

プロジェクトメンバー

  • 延原 肇 Hajime Nobuhara
    C-AIRヒューマンテクノロジー分野、システム情報系、教授
  • 丸山 勉 Tsutomu Maruyama
    システム情報系、教授
  • 山口 佳樹 Yoshiki Yamaguchi
    システム情報系、准教授
  • 河合 新 Shin Kawai
    システム情報系、助教
  • 林 久喜 Hisayoshi Hayashi
    生命環境系、教授

研究概要

農業分野、特に、育種分野においては、各植物個体の高さ方向の情報を大規模・高精度に計測する、ハイスループットなフェノタイピングの基盤技術が求められている。しかしながら、図1に示すような規模の圃場には、約50,000個体が生育しており、これを人手で計測するのは非常に困難である。
このボトルネックの解消手段として、ドローンの大規模観測能力に注目が集まっている。一方で、従来のドローンによる計測システムではセンチメートルオーダーが限界であり、さらに撮影画像によっては3次元再構成がうまくゆかない場合もある。

本研究では、FPGAの処理能力を最大限に活用し、ドローンの飛行中に撮影画像からの3次元再構成を行い、3次元再構成がうまく行かない場合に、再撮影をすることを視野に入れ、さらに、計測精度をミリオーダーまで引き上げることを目的としたシステムを開発している。

提案システムの原理は、図2に示すように、ドローンによる画像撮影と、撮影時の地点をRTK-GPSで測位し、当該画像と紐付けることで、各撮影画像間の基線長を推定し、ステレオマッチングによる深度情報を推定する。
図3に示すドローンを開発し、実圃場において実証実験を行いミリオーダーの精度を確認するとともに、処理時間と計測に必要な入力に関しても、従来に比べ大幅に削減可能であることを示した(図4)。

図3